雪国 (新潮文庫 (か-1-1))のレビュー
情景が勝手に浮かび上がる
「国境の長いトンネルを抜けると雪国であった」という冒頭の文章や、
銀色の限定オリジナルカバーに惹かれて購入しました。
最初のほうは、文章が堅苦しいなと思って、あまりのめりこむことができなかったのですが、
だんだんとおもしろいと思うようになり、すんなりと読めました。
まず情景描写がいい。昭和初期の雰囲気が作品にそのまま投影されていてとても興味深かったし、
雪に覆われた山脈を実際に見ているような、そんな気分が味わえました。
しかも人物描写も徹底されていて、ここからもまた、人間のリアルな表情が勝手に浮かび上がります。
今まで読んだ純文学の中では最も「人間らしさ」が描かれておりました。
とにかくあらゆる箇所で情景や人情のよさにうならされる、
そんな素敵な本でした。
純文学好きな人は絶対に楽しめる作品です。
銀色の限定オリジナルカバーに惹かれて購入しました。
最初のほうは、文章が堅苦しいなと思って、あまりのめりこむことができなかったのですが、
だんだんとおもしろいと思うようになり、すんなりと読めました。
まず情景描写がいい。昭和初期の雰囲気が作品にそのまま投影されていてとても興味深かったし、
雪に覆われた山脈を実際に見ているような、そんな気分が味わえました。
しかも人物描写も徹底されていて、ここからもまた、人間のリアルな表情が勝手に浮かび上がります。
今まで読んだ純文学の中では最も「人間らしさ」が描かれておりました。
とにかくあらゆる箇所で情景や人情のよさにうならされる、
そんな素敵な本でした。
純文学好きな人は絶対に楽しめる作品です。
心象風景が広がります
つい最近まで、有名な冒頭の一文しか知りませんでしたが、実際に読んでみて、繊細で情景豊かな美しい文章に魅了されました。
どこか儚げで非現実的な絵画を鑑賞しているような気にさせるこの小説は、心象風景としてスライドのように私の心を静かに通り過ぎてゆきました。
また、ラブシーンや悲劇的なシーンはそれらを想起させる何気ない文章によって回避され、読者の想像力に委ねられています。
名作と言われるだけあって、素敵な本だと思いました。
どこか儚げで非現実的な絵画を鑑賞しているような気にさせるこの小説は、心象風景としてスライドのように私の心を静かに通り過ぎてゆきました。
また、ラブシーンや悲劇的なシーンはそれらを想起させる何気ない文章によって回避され、読者の想像力に委ねられています。
名作と言われるだけあって、素敵な本だと思いました。
崇高なまでの美的感覚
親譲りの財産によって無為徒食の生活を送る主人は、雪深い温泉町で或る芸者に出会う。崇高なまでの美的感覚には圧巻します。
「どうして?生きた相手だと、思うようにはっきりも出来ないから、せめて死んだ人にははっきりしとくのよ。」
「どうして?生きた相手だと、思うようにはっきりも出来ないから、せめて死んだ人にははっきりしとくのよ。」
伊豆の踊り子と雪国
伊豆の踊り子
と
雪国
は、川端康成の本で、違和感がなく読めた本でした。
子供の頃は、ちょっと、まだるっこしい感じがして、
もっと調子がよい本をよく読んでいました。
最近、日本文学の心を伝えるような翻訳物を読むようになって、
川端康成のような文体になじんできました。
海外に伝える日本の文化は、雪国か、我輩は猫であるだろうと思いました。
と
雪国
は、川端康成の本で、違和感がなく読めた本でした。
子供の頃は、ちょっと、まだるっこしい感じがして、
もっと調子がよい本をよく読んでいました。
最近、日本文学の心を伝えるような翻訳物を読むようになって、
川端康成のような文体になじんできました。
海外に伝える日本の文化は、雪国か、我輩は猫であるだろうと思いました。
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そしてこれほどまでに「エロい」作品だったのかと改めて気づかされました。
直接の性的な描写はありませんが、互いを疎ましく思いながらも離れずにいられない、
端的で硬質な表現の端々に二人の熱情を感じます。
そうでいながら昼の光の下で醒めて見えるのもまた、事実。
何となく知らない町を歩いてしまったり、鉄瓶の響きに別れの足音を感じてしまったり。
決して恋の盲目になっていないところも別の意味で「エロい」なあと思いました。
この魅力を決定つけているのが作者の描写力なのは言うまでもありません。
描写ひとつひとつが美しい。
また、最後の火事のシーンの描写も壮絶!
女体美と自然美二つの美に追いやられようとする中で、ブツリと物語が途切れます。
ここまで淡々と描かれていた主人公の感情がここで一気に加速し別の形に変容するのですが
それ以降は語らないという冷たさがこの小説の真髄なのかなとも思います。
教科書などで部分的に読むのは意味がありません。
美しい日本語とは何かを語り継ぐためにも読み続けてほしい作品です。
ということで★5つ